RN10400-100AJS No.4 WD(WesternDigital)のIntelliParkを無効にする

2014/03/08追記:その後、数回に渡り、オフ,30分,1時間で計測しましたが、温度,電気代ともに明確な差はみとめられませんでした。(すべて設定変更後12時間以上経過しての計測)RAID1を2セットにしていたので、1つ目のボリューム2台と、2つ目のボリューム2台で、片方をオフ,片方を1時間にして数日運用もしてみましたが、明確な差はありませんでした。よって、本機で使用する上でのIntelliParkの設定は温度,電気代ともに影響しないと結論付けます。初回計測時のみ3度ほど温度差があったのも誤差程度だと思います。

運用は1時間でしていくことにします。

 

現在、HDDはWD(WesternDigital)のWD40EZRX(4T)を使用していますが、初期値としてはIntelliParkという独自機能が有効になっているようです。
IntelliParkとは、記録ヘッドをディスク表面から退避させて、ヘッドの磨耗を低減し消費電力を抑える機能のようです。
ここまでなら、非常によい機能だと思いますが、問題は、この機能が働くのがアクセスがなくなってから8秒と非常に短い時間になっていることです。
そのため、ファイルを参照して、しばらくしてから、また別のファイルを参照したりするような場合に、本来は不要な停止機能が頻繁に働いてしまいます。ヘッドが退避位置から所定の場所へ移動する時間があるため、少し時間がかかることになります。主にドキュメントファイルを参照するような使い方の場合が該当すると思います。8秒以内に次のファイルを参照するという使い方の方がイレギュラーのような・・・・・

24時間、動画再生や音楽再生など、常時アクセスするような使い方しかしない場合は、退避するタイミングがないので問題はありませんが・・・・・

Linux(本機のOS)でもIntelliParkを有効(秒数を指定可能)にしたり無効にしたり出来るようなので、試してみることにします。(すでに本機で運用を開始してしまっているため、本機に接続したまま設定をすることが出来ます)

 

SSHルート権限でアクセスすることになるため、本機のサポートを受けれなくなる可能性があります。試される場合は自己責任で行う必要があります。
SSH機能をONにしようとすると警告が表示されます。

設定出来る環境作成

idle3-toolsというツールをインストールして使うためにSSHをONにします。

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TeraTerm等で本機へアクセスします。
ホスト名は、本機のIPアドレスを指定します。

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ユーザー名は「root」です。ReadyNASの設定画面にログインすための「admin」ではありません。
パスワードはデフォルトでは「password」です。

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idle3-toolsをダウンロードしインストールします。


wget http://ftp.nara.wide.ad.jp/debian/pool/main/i/idle3-tools/idle3-tools_0.9.1-1_armel.deb

dpkg -i idle3-tools_0.9.1-1_armel.deb

現在の状態を確認

gオプションで現在の設定がどうなっているかを確認します。4台接続しているので念のために全て確認します。
全て80という値になっています。1=0.1秒という意味らしいので8秒になっています。ものによっては4秒の場合もあるようです。

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無効化します

dオプションで無効化させます。

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「Please power cycle your drive off and on for the new setting to be taken into account. A reboot will not be enough!」とは、「リブートでは駄目で、電源を一度オフにしてからオンにしろ」というような意味で、シャットダウン後に再度電源をオンにします。

 

無効化を確認

再度gオプションで設定値を確認します。正常に無効化できているようです。

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元に戻す場合

sオプションで退避するまでの時間を指定することが出来ます。
デフォルトと同じ値にしたい場合は画像のように80という値を指定します。

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値を変更する場合も、シャットダウン後に再度電源をオンにする必要があります。

 

デフォルト値と無効時での違い

電力と温度にどれだけ差が出るのかを比較してみました。計測期間中はファイルへのアクセスはなし。
計測はワットチェッカーを使用して、どちらも12時間半で計測しています。(最初の計測時に就寝前に変更して起床して確認したら12時間半という中途半端な時間だったので、2回目をそれと同じ時間にしました)
温度計測も設定変更後12時間半後に計測しています。

無効時の場合の消費電力は0.34KW
無効時の場合の温度は↓

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有効(デフォルトの8秒)の場合の消費電力は0.33KW
有効(デフォルトの8秒)の場合の温度は↓

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無効の場合は温度が3度ほど上がってしまうようです。(常に動作してるための温度差なのでしょう)
ファンもそれに合わせて回転が多いようです。
電力も0.01KW多いようですが、誤差程度なので電力は無視してもよさそうです。
無効化することで、デメリットとして温度が若干上がってしまいます。どちらを取るかはその人の使い方次第なので、どちらがよいとは言えないと思います。

 

運用を考える

私の場合は動画のような常時アクセスはほとんどないため、IntelliParkは有効にしたいと思います。
ただ、時間が極端に短いのは問題だと思いますので、1時間何もアクセスがなければ退避が機能するようにして様子をみたいと思います。
この設定時間は好みでしょうね。30分くらいでも良いとは思います。
sオプションで指定する秒は
1-128は0.1秒刻みで0.1秒-12.8秒
129-255は30秒刻みで30秒-63分30秒 (n-128)*30
のようです。
1時間(3600秒)にしたいので、逆算して3600/30+128=248を設定すればよいようです。
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